祝 辞 市原看護専門学校卒業生の皆さま,教職員の皆さま創立50周年おめでとうございます。貴校が設立された昭和48年は、のどかな田園都市であった市原市も東京湾岸の埋め立てが進み、市が千葉港の一角に組み込まれた時期でした。市原市では特に石油産業などの化学工業を主とする企業の進出が多く、それに伴い工業地域型の医療へのニーズが高まって、それを支える看護職の要請が急務であったことと思います。私共の帝京大学ちば総合医療センターの前身「帝京大学医学部附属市原病院」は1986年5月に市原市で開院し、24時間体制で救急医療の拠点となりました。開院当初より貴校の学生の方々を実習生としてお招きするとともに、当院を支える貴重な看護人材を送り出していただいております。 現在にいたる貴校の卒業生の皆様は、学校で学ばれた看護の基礎を基にして,自らの研鑽を重ね、さまざまな領域で市原市の看護師としてご活躍のこととお喜び申し上げます。現在、医学は飛躍的に進歩し、また時代の要請も激しく変化しています。そのような変化に呼応して、看護学校の教育内容も漸次変化していかねばなりません。しかし、貴校の教育理念に謳われているように、医療の高度化、専門分化、多様化、そして様々な価値観をもつ対象に対応する看護職者は、豊かな人間性を養い、人間の尊厳を守り、深い看護観、確実な看護技術を持っていることがまさに望まれています。生命の畏敬・人格の尊重を基本精神とする豊かな人間性を陶冶し、主体的に学ぶ姿勢を養うといった教育姿勢はいささかも変わるものではないと思います。 今後もさらなる50年に向けて、卒業生が貴校で学んでよかったという学校であり続けるよう、益々の発展を祈念いたしますとともに、帝京大学ちば総合医療センターにご指導やご鞭撻をいただければ幸甚です。実習施設■帝京大学ちば総合医療センター病院長 和田 佑一(令和4年3月1日現在)■22
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