市原看護専門学校創立50周年を迎えてー追補版ー
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 学校創立50周年おめでとうございます。私と本校との出会いは、学校運営委員会のメンバーとして会議に出席したことから始まりました。まだ准看護師養成校であった時期です。その後医師会理事となり看護学校担当を任され、歴代の内田威郎学校長、井上雄元学校長、中村文隆学校長の下で運営にあたってきました。全国的に問題だった慢性的な看護師不足は、私が日常診療にあたっていた病院でも同様で、その対策は病院管理者として最大の課題の一つでした。平成2年当時も市原看護専門学校は、准看護師養成校としてすでに多くの実績を上げていました。前任地の銚子市では、教科講師経験はありましたが学校運営は初めての経験でした。 印象深く思い出されるのは、入試面接における内田先生の機転を利かした対応です。ある試験官が極端に難問を出した時に試験官のメンバーであった内田先生は受験生を気の毒に思い、代わりに正解を答えてあげたのでした。評価する立場の内田先生による気の毒な受験者への気遣いの現れです。受験生の回答を待っていた出題者も拍子抜けして笑ってしまいました。また、本校に特徴的なことは学生に社会経験を積んだ者や複数受験経験者の多いことがあげられます。このような学生の中には、一念発起して看護の道を目指し本校にたどり着いた人材も多く見受けられました。運営会議で内田先生はこの特徴をミレーの名画に例え「落穂ひろいの精神」と説明されています。内田先生の多様な背景を持つ学生への思いやりと、その精神について会議などを通じて受け止めていた本校の教育姿勢が思い起こされます。 多くの外部講師の方々には、日常の診療や業務で御多忙な中、貴重な時間を割いて教育に当たっていただいたことに、今でも感謝の念に堪えません。卒業生の資格試験合格率の高さは、諸先生の熱心な協力なしには考えられないことです。教務や事務系の専任学校職員も先生方の指導の下に頑張っていたと思います。私にとっても、医療関係者のみならず、看護や教育界、事務系などの専門職の方と共に過ごせた経験は大きな財産となりました。 本校は卒業生が地元で働くことを基本とした運営姿勢を特長としていることからも、学生や地域の医療施設には直接多くのメリットがあるものと思われます。開校以来50年間、地域に根差した教育を築いてきた本校が、市原とその周辺の医療を支え続ける柱の一本として今後も貢献していくことを期待しています。祝   辞前学校運営委員前副学校長実習施設■医療法人白百合会 市原鶴岡病院前院長  小河 直之21■

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