市原看護専門学校創立50周年を迎えてー追補版ー
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い制度であると思っています。良い学校のはずでしたが、講義をしていて急激に様子が変わってきたと感じます。千葉県内に一気に15以上も看護大学ができたためでしょうか。看護師を目指す高卒の人達がそちらにいってしまうためか、当校の学生の平均年齢が急に上がりました。中には非常に優秀で良い看護師に成長するだろうと思わせる学生もおりますが、なぜ看護師を目指すのか、現場医療をどう考えているのか、患者さんのお役に立ちたいと本当に思っているのか、単に資格だけを取っておこうと思っているのではないかと思われる学生が増えています。当院にも大卒の看護師が入って数年になります。小さな頃から看護師を目指していますので、まじめで性格が良く、大きく育ってくれそうです。しかし彼女達は知識は大変豊富ですが、授業で現場を学ぶことが少ないのか、教える側に現場の仕事の経験の少ない教員が多いのか分かりませんが彼女達をみているとそう感じます。現場のチームに溶け込むのには今までの当校卒よりも多少時間がかかりそうです。コロナ騒動で数々経験した(している)ことですが、役人、政治家、協会等の偉い人達というのは、日先だけで実際の現場とはかなり遊離しています。日本には現場も知らず、実際には何もわかっていないのに上から目線で物事を決めたり、制度を作ったりする「方々」が非常に多いということです。半ドンの土曜日を休日にして、それでも飽き足らず、祝日を月曜日にもってきて3連休を作ったのはその1例です。連休が増えれば、患者さんも現場も非常に困ります。3連休を楽しめるのはお役人様かそれに類した人だけです。准看廃止の話も看護大学への移行などもこの一環と考えます。 しかし、これからの看護体制は大卒が中心になってくると思います。とすると若い頃からではなく、中途から看護師を目指す学生が多くなった当校としては彼らに現場第一主義や患者さん第一主義を教え込むにはどうすべきか?はては当校の存在意味まで含めて、医師会、学校関係者、受け入れ施設等々の関係者によるきちんとした議論が必要になると考えているこの頃です。 今回のテーマである学校のこととは関係ありませんが、私には看護のことを考えると必ず思い出す大切なことがありますので、勝手ですがこの際書いておきたいと思います。市原市医師会は、内田威郎先生等々の尊敬できる多くの先輩に恵まれています。そのお一人である相楽恒俊先生の話です。 先生は非常な理論家で鶴舞病院心臓外科(現、県循環器病センター)で日本の「先天性心疾患の外科」を牽引されておられた方です。超低体温麻酔で乳幼児のファロー四微症などの手術に取り組まれており、術後はレスピレーターがわりに(当時レスピレーターはバードしかなかった)我々若い医者達に麻酔がさめて落ち着くまで、呼吸器のバッグを押させるような激しい医療を日夜行なっておられました。その先生が県立がんセンターに入院された折に、我々子分達を自分の病室に集め、インターホンで看護師を呼びますと、しばらくして看護婦がゆったりと現れました。先生は我々に「よく見たか。今の歩き方をお公家様歩きと言うのだ。医療はお公家様ではだめなのだ。」とご自分が苦しい中で、先生の医療や看護に対する姿勢を叩き込んでくださいました。常に状態がいつ変わるか分からない乳幼児の心臓手術と癌患者の状態との違いはもちろん大きいとは思いますが、患者さんを第一に考え、その苦しみにできるだけ早くきちんと対応するべきということです。急性期医療を中心としている当院の医療はどちらかといえば、相楽先生に近いので、ずっと忘れずに大切に実践していきたいと考えています。17■

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