祝 辞 市原看護専門学校が創立50周年を迎えられましたこと、心からお慶びを申し上げます。 貴校におかれましては、昭和48年4月に市原市医師会立市原准看護学院として開校され、平成7年には進学コース看護学科を併設され、保健・医療・福祉全般にわたる幅広い知識と視野および安全・確実で高度な技術をもち、高い教養を備え人間愛あふれた優しい看護師を育成してこられました。 この50年間で、医療を取り巻く環境は、少子高齢化の進展、医療技術の進歩、及び医療提供の場の多様化等により大きく変わってきています。その中で、国民の医療に対する意識は、安全・安心の重視とともに、量から質の向上をより重視するといった方向へ大きく転換してきているとともに、個人の価値観が多様化しています。医療従事者の間においても患者とその家族の意思を尊重し、QOLを重視するといった認識が浸透し、看護師に求められる能力や役割も拡大しています。 広い意味の「看護(ケア)」は、人が人の世話をすることであり、家族や隣人による見守りや支援も含まれます。一方で、私たち看護職は、常に個々人の尊厳を基盤に、専門的な知識と技術を身に付けた専門職として人々の看護にあたってきました。複数の疾病を抱えながら暮らす人々が増え、それらの人々の療養の場が暮らしの場にシフトする中で、人権を尊重する倫理的態度を身に付け、健康・医療と生活、両方の視点を持った看護職には、多様な場で役割を発揮することが求められています。 貴校は、「看護は人間関係を基盤にして、対象がより健康で生活ができるように、科学的に援助を実践するものと考える。医療の高度化、専門分化、多様化、そして様々な価値観を持つ対象に対応する看護職者は、豊かな人間性を養い、人間の尊厳を守り、深い看護観、確実な看護技術を持っていることが望まれている。社会の変化、人口構造の変化、医療の進展に対応できる教育を行い、地域保健医療福祉の充実に寄与できる看護師を育成する。」を教育理念とした看護基礎教育に尽力されていらっしゃいます。今求められている看護職を養成されておられます学校長をはじめ教職員の皆様に敬意を表します。 結びにあたり、創立50周年を迎えられた貴校が、これまで積み上げてこられた歴史を土台にますますご発展されますことを祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。■公益社団法人千葉県看護協会会 長 寺口 惠子15■
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