市原看護専門学校創立50周年を迎えてー追補版ー
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市原看護専門学校創立50周年記念に寄せて 市原看護専門学校が創立50周年を迎えられたことに、心よりお祝い申しあげます。昭和48年の創立以来、貴校からは本当にたくさんの看護職が巣立って行かれました。市原市の保健・医療に携わる人材を、数多く輩出してこられたことに対し、敬意を表するとともに、市民のひとりとしても深く感謝申しあげる次第です。また貴校の卒業生であり、卒業後も外部講師としてお世話になった私自身、ひときわ感慨深い思いでおります。 私の知る限りでは、卒業生たちの多くが「市看(貴校)のことが本当に好きです」「市看で学べてよかった」などと、口を揃えて言っています。理由は多々あると思われますが、個人的には校風と申しましょうか、貴校の特性が少なからず関係しているのではないかと思っています。 そのひとつに、さまざまなバックグラウンドを持っている学生が集まっているという点が挙げられると思います。多様な個性が集う学生生活において、葛藤や軋轢が日常的に生じることは想像に難くありません。それを理解と協調に変え、ともに看護職を目指す過程で醸成される雰囲気は、貴校独特なものといえるのではないでしょうか。もちろんそこには学生たちの夢や苦悩を受容し、応援して下さる先生方や職員の皆様の存在があることは言うまでもありません。貴校での忘れがたい記憶の数々が、卒業生たちの発言につながっているように、私には思えてならないのです。 この半世紀のあいだ、特にこの10年ほどは社会的に大きなできごとがありました。2011年に大震災が発生し、昨年からは新興感染症のパンデミックが今なお私たちの生活に大きな影響を及ぼしています。しかしこのような状況だからこそ、貴校に対し、切に願うのは“看護ができることは何か”“看護職として、社会に貢献できることは何か”を、ともに考えられる看護職を、これからも育成し続けていただきたいということです。繰り返しとなりますが、寄稿に際し、先生方をはじめ学校運営に携わってこられた関係者皆様のご努力とご功績に思いを馳せるとともに、市原看護専門学校の益々のご発展を祈念申しあげます。実習施設■医療法人白百合会 市原鶴岡病院看護部長  木﨑 慎一 (令和4年3月1日現在)■36

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